季節と共に訪れる感動
何年か前に
姉と一緒に、地元の文化センターで開催されていたバラ展に行った。
とても綺麗なバラがたくさん咲いていて、色や種類がとても豊富だった。
姉が「とてもいい香りがする」というので
ためしに近くに咲いているバラを嗅いでみると
本当に、本当にとてもいい匂いがした
よく、アロマなんかで「バラの香り」というものがあるけど
本物のバラの「癒しの香り」というものを嗅げた気がする
すると突然、僕の目からツーっと一筋の涙が流れた
ああ、昔僕が小学生の頃に映画館へ「フランダースの犬」を観に行った時に
皆んなが涙するシーンの中、一切涙を流さなかったこの僕も大人になって
「花の香り、美しさに感動して涙を流す歳になったのかぁ・・・」と思った
しかし
バラの香りを嗅げば嗅ぐほどに涙の量は増えていき
くしゃみや鼻水、目のかゆみが出てきて顔中が大洪水
その時僕は悟った
「あ、これ花粉症だ。」
いやー、気付いた時にはもう遅くて
調子に乗って次々バラの香りを嗅いで回っていた僕は
目玉を取り出して水道水で洗いたいほどのかゆみと
胡椒をひたすらに嗅ぎ続ける異常者のようにくしゃみを連発していた
その時はじめて知ったけど
「バラの花粉症」ってあるんスね
今までTVのニュースとかで「今年のスギ花粉はー。」
とか言っているのは聞いたことありましたけど、
自分には関係ない世界だと思っていました
花粉症って怖っっっ!!!!
っていうか辛っっっ!!!!!!!!!
自分が体験してみて初めてその苦しさがわかった。
しかも、聞いた話じゃ昔は「花粉症」なんて言葉もなかったらしいですね(←当たり前っちゃ当たり前ですが)
当時の花粉症の人達は周囲から理解を得られず大変だっただろうなぁとお察しします。
よく、「お年寄りになると何もない所で転ぶ」
なんて言いますけど
もしかしたら当時の人達は
「うわっ。オレ急に涙が出てきた。こんな何もない所で。。。
きっと今生きている事に感動しているんだ!人生は素晴らしい!!」
その言葉を聞いた友人達が
「いや、お前のそれ(涙)は情緒不安定なw」
なんて話をして爆笑していたかもしれない(←どんなだ笑)
今でこそ「それ、花粉症な」と正しくツッコミが出来るというもの
お年寄りが何もない所で転んで怪我するのも、
筋力低下が原因で足が頭で思っているより上がっていないとか
手を前に出して受け身を取るだけの反射神経が鈍っているとか
それなりの「理由」というものが存在する
今回自分自身が花粉症になってみて初めて見方が変わる世界があったように
「時代が進むにつれて後から後から判明する科学的、生理的事情というものはきっとたくさん存在する」から
その事実を皆んなが知っていてあげることで
そういった「昔はまだわかっていないだけだった」苦しむ人たちを
理解してあげたり、助けてあげられることだってあるんだろうなぁ
と、今年のスギ花粉のTVニュースを眺めながら思った。
皆んな人には優しくしようね!